糖心原创vlog

研究機関誌「FOOD CULTURE No.25」(「和食っていいね!」と言われたい 和食の魅力 Part.2)

若手料理人によるパネルディスカッション

「和食っていいね!」と言われたい 和食の魅力 Part.2 食のクールジャパン!和食

京都と东京から旬な日本料理人が集合!
伝统を守りつつ、国内外で活跃をする料理人たちが、昨年に続き、和食の魅力について语る第二弾。和食は今や、世界で注目を浴びるかっこいい料理!今回は海外を通してみた、和食の魅力を语り合います。

柿泽 それでは简単に今回の概要を説明させていただきます。和食というのは、私たちの中にいつも根底に流れているとても大切なもの、それは水や空気のようだったり、まるでそこにあることすら気づかなかったりすると思うのです。そんな和食に対してどのように感じているか、また海外の方がどのように感じているのか。海外に行かれたご経験を含めてお话しください。では、さっそくですが、和食がユネスコ无形文化遗产に登録されましたが、それに関してはいかがでしょうか。
柿泽氏

髙桥(拓) お客様は和食がユネスコ无形文化遗产に登録されたからといって、ご自分のみそ汁やご饭のつくり方が変わるわけでもないし、と思われるかもしれませんが、このことは日本の文化が世界に认められたということで非常に大きいことだと思います。そして毎日の料理を、ただ栄养を摂るとか、おなかが减ったから食べるということだけではなくて、日本人としてのアイデンティティを今一度考えるきっかけになったのではないかと思うのです。実は、昆布という食材は日本にしかありません。日本料理とは、昆布を使った料理なんですね。世界を见渡しても昆布は捨てたり、堆肥にしているわけです。昆布を使ってお出汁を取って、それを鰹节と合わせるというところが日本料理の特异性。日本の料理というのはそこが凄いなと。そこにちょっとしょうゆを落とすとさらにおいしくなる。そんな料理であるということを、皆さんが再认识されたということがとても大きいですね。
髙桥(拓)氏

中东 私は登録されてからの方が大変だと思います。登録されたということは日本の文化、日本料理だけではなく、日本人の精神が、世界に知れ渡ったのではないか、认められたのではないかと思っています。例えば、和食のまわりには、掛け轴や生け花があったりするのですが、そういうものも海外に普及していく。そのことで日本が世界に注目されて、もっともっと强くなっていくのではないかと思います。
中东氏

髙桥(义) 世界の视线が和食に集まっている、という自覚を日本の皆さんが持ついい机会になったのではないかなと。私自身もそうですが、日本人は和食を食べ自分たちの体をつくってきた。それらが遗伝子に组み込まれているんです。それを次の世代に语り継いでいくということが、和食にとって大事だなあということを改めて感じました。
髙桥(义)氏

柳原 今回のユネスコ无形文化遗产登録で柱になったものが四つあります。一つ目が「いろいろな食材の豊かさ」。日本はとても南北に长いですからさまざまな食材に恵まれています。そして次に「健康」。それから豊かな春夏秋冬があることによる「季节感」。最后の一つは「文化」です。日本の文化の中で面白いものは、例えばお正月料理を思い出してください。なぜおせち料理を食べるのかというと、例えば叁つ肴だったら数の子、黒豆、そして田づくり。それぞれに愿いを込めて食べるわけですよね、日本人は。そういうことは、海外の人たちはとても不思议に思うわけです。それは言霊(ことだま)であり、食べ物に愿いを込める。そのことを私が海外に行って话すとかなり兴味をもたれるところなので、もっとアピールしていきたいと思っています。
柳原氏

柿泽 ありがとうございます。ところで皆さん、世界中に和食のレストランというのは何店舗くらいあるかご存知ですか。今、统计ですと5万6千店舗以上となっています。2006年、今から8年ほど前なのですが、その时には约半分くらい、2万6千店舗。今はその2倍くらい、急激な広がりですよね。
髙桥(拓) そうですね。その理由は、第一には食材の流通が良くなったということ。海外のイベントに参加させていただくと、昔と比べてものが良くなっているんです。食材の搬入もそうですし、运搬もそうですし、それから调味料関係もかなり充実してきています。日本料理の副食材までスーパーマーケットで揃うようになったということが大きいですね。
中东 私も昔、6年くらいフランスにいて、その时は日本人がきちっと料理をしている料理屋さんは4轩くらいしかなかったと思います。他は、ああ、日本料理屋さんやなぁって思ってのぞきましたら、明らかに日本人ではない人たちが寿司を握っていたり、うどんをつくっていたりとか。当时は、日本料理文化というものが海外に知れ渡っていなかったですね。それがいつしか日本料理がヘルシーであるとか、文化的であるとか、そういうことが海外に普及し始めるにつれ、どんどん食べる方のレベルが上がってきた。今では、世界中に良い日本料理屋さんがたくさんありますよね。
髙桥(义) うちのお店も最近、外国のお客さんがとても増えました。以前に比べると、とてもきれいに召し上がるのです。お刺身と言うたら海外に行くとサーモンとか鮪(マグロ)とかそういうものが多いのですが、日本では鯛(タイ)の活造り。うちでは活造りという形で身が硬直していないぷりぷりしたものを出すのですが、やはり最初はなかなか食べていただけなかった。それが皆さんきれいに全部召し上がるようになってきた、というのが実感としてありますね。
髙桥(义)氏

柳原 日本料理の広がりというのを见るのに一番いいのは、しょうゆの消费量だと思います。海外に行くと、必ずスーパーマーケットに行くのですが、どんなところでもしょうゆはありますし、输出量もどんどん増えていますよね。
柿泽 ありがとうございます。海外から日本に来る観光客の方が期待する第1位が「食事」。また、海外の人からアンケートを取ると、好きなお料理は何ですか?という质问に「和食」が堂々の1位だそうです。このような海外の方の気持ちの変化、和食を受け入れられていることをどうお感じになりますか。
柳原 今、筑地市场は、日本人より外国人の方が多いくらい。午前9时前までは一般の人は入ってはいけないことになっているのですが、9时を过ぎた瞬间に私たちが歩けないくらい外国の人たちがいる。生食文化にとても兴味があるのです。また、大きな、200办驳くらいの鮪がセリを待って転がっているっていうところなど、とても热心に见学しています。お刺身を生でそのまま食べることは、外国の人たちは今まで持ってなかった文化なんです。今まで鱼というものは生臭くてだめだったはずが、どんどん世代を重ねるごとに、お寿司を食べるようになって、和食のおいしさに舌がどんどん惯れてきている感じがします。外国の人たちの舌も成长しているように私は思います。
柿泽 ありがとうございます。ところで和食というものを海外の人はどのようにイメージをしているのでしょうか。
髙桥(拓) 取りあえず一番初めに「キレイ」という言叶はとても多く闻かれます。シンプルで、自然な雰囲気が出ているということをおっしゃいます。二番目には、あっさりしているのに味があると。それからオイルがほとんど使われていなくて、すべてが旨みの构成で料理がなされていておいしく感じられると。
それでは、ロシアのモスクワで行ったイベントをご绍介します。私はロシアに10年前にも行ったことがあります。食のイベントで、ちょうど3月18日の国际妇人デーでして、名だたるご妇人総势70名くらいに懐石料理を出しました。その时は、食材も冷冻ものしかない。鱒(マス)は氷詰めのものがあったのですが、おなかが溶けているような状态やったわけです。それから10年后、素晴らしい立派な市场になっているわけです。とても整理されていました。ここは蛸(タコ)のブロック、ここは鯛のブロック、生簀(イケス)に伊势海老やオマール海老やホタテ贝は泳いでいるわ、蛤(ハマグリ)までありました。日本料理は食材が多様であればあるほど、その幅が広がるので、食材が豊富なロシアでは、日本料理は急速に発展するな、とその时思いましたね。
モスクワで行ったイベントの様子

中东 私が肌で感じているのは、ヨーロッパ全体で今、柚子が爆発的な人気で、多くのシェフが使いたがっているということです。料理だけではなく、お菓子にも使われています。そういうこともあり、今では生の柚子をEUに输出する事ができるようになったんです。それで生の柚子を日本人はどのようにして使うのか、という疑问が彼らにはあって、そのことを教えるために行ってきました。场所はスペイン。バルセロナのアバックという二つ星のレストランでした。そこのシェフたちは、柚子を単なる日本の食材だからとか、トレンドだから使うのではなくて、本当に柚子の香りというものに兴味を持って、それを理解して使おうとしています。柚子の使い方で一番、简単なのは、柚を摺って散らす振り柚子なのですが、そればかりでは面白くないということで、柚子のことについて色々なことを答えられないくらい质问されました(笑)。
モスクワで行ったイベントの様子

柿泽 この柚子について海外の人たちはどのように见ているのでしょうか。
柳原 海外の人は、香りということにすごく贪欲なんです。日本料理は旨みで构成していく事が多いのですけれども、海外では香辛料を多く使う。その中でやはり日本料理らしい香りというと柚子を使いたくなるんですね。しょうゆを使うと日本料理らしくなりますが、それだけじゃなくて香り、たとえば木の芽があり、柚子があるだけでも、日本料理らしくなるという、そういうシグネチャーになり得るものなので、もっと海外に自由に持っていけるようになってほしいです。
柿泽 最后になりましたが、柳原さんはどちらに行かれたのですか。
柳原 私は中东のイスラエルに行ってまいりました。実はイスラエルのテルアビブには寿司屋さんが200軒、もう既にあるんですね。そこで寿司コンテストをレストラン対抗という形で行いました。今回で3回目「糖心原创vlog Sushi Master 3」という企画です。30数軒のイスラエルのスシバーやスシレストランの人たちが集まって競い合うのですが、会場にいるプレスやお客さんが、実際につくっている所を見ながら進行していくのです。30分の間にお刺身と巻物と、あとお寿司の3品をひとつのお皿に盛りつけるという、そういう内容でした。
イスラエルで行われた寿司コンテストの様子
柿泽 ずいぶん盛大ですね。
柳原 本当に色々な国の方々が参加しています。アジアの方もいますし、現地の方もいますし、ヨーロッパから来ている方もいるという感じで、二人一組で参加しています。このSushi Masterで優勝するということは大変名誉なことだそうです。これが優勝者の作品です。このようにお刺身が奥の方にあって、手前に握り寿司、そしてその前に巻物があります。私がこの作品を選んだ基準は握り寿司の一個一個の大きさが同じで、衛生的というところです。つくっている様子も審査の基準になっていて、つくっている様子、盛り付け、そして味という三つで見るのです。今映っている彼が、優勝した若干26歳のイスラエル人のメイダン君です。彼にどのように寿司を勉強したのか聞いてみました。すると日本料理屋にはどこにも修業に行っていないのです。どうしたかというと、全部インターネット。動画サイトで寿司の握り方を見ながら、見よう見まねで勉強したそうです。
寿司コンテスト優勝者の作品
優勝したシェフの記念写真

柿泽 皆さん、海外でご経験をされた中で、海外の方から见た和食がどのように见られているか、お感じになられたと思いますが、それぞれ违う経験の中に共通项みたいなものはあるのでしょうか。
髙桥(拓) これからは切る技术というのが、どんどん海外に出ていくと僕は思っているんです。僕らは切ると炊くで「割烹」と言います。この二つの技术が半々で日本料理ができているんですね。私たちは右手で切りますけれども、左手にも同じくらいのセンサーがついているのです。
中东 私は、技术的なこともそうなのですが、まずは日本料理の构成の仕方についてです。今、海外のシェフたちも自然に目を向けていて、それらを料理にどう取り込んでいくかを考え始めています。日本料理の场合は直接的に、自然を感じることができるのですが、洋食の场合、これは自然から取り入れたのだ、と感じにくいところがあると思うのです。それらを克服すべく、自然を料理にどのように表现していくかということも、彼らが勉强していく事なのではないかと思います。
柳原 私が思う海外の人たちが感じている和食の魅力のひとつとしては、やはり鱼の扱い方だと思います。お寿司がこれだけ世界に広がってきたというのは、氷があって発泡スチロールがあって、流通が良くなった。そういうことによって世界で食べられるようになったのです。でも、私たちはもうずっと前から、氷も何もない时代から生食をしてきた。そのひとつの理由は、やはり鱼の上手な扱い方なのです。それが先ほど言いました筑地がとても人気があるひとつの理由だと思うのです。例えば、ひとつの鱼に対しても氷の使い方や、どういうふうに置こうかとかいうことですね。普通、鱼は头が左で、おなかを手前に置くじゃないですか。それだって鱼の鲜度を如何に保持していくかということで、できたルールなわけですね。下身の方というのはどうしても内臓がありますし、鱼の重さがかかります。だからそこから悪くなっていく。でも、运ぶ人とか売る人が必ず全部そういうふうに置けば上侧の身というのは下侧の身よりは鲜度が保たれるわけですね。そういう技术というものを、料理の包丁技だけじゃなくてもっと输出するべきだと。それこそフランスなどに行くと「活けじめ」のような技术は、シェフの皆さんが兴味を持たれます。日本では当たり前の技术が、海外ではすごくびっくりしてもらえるんです。
柿泽 きっと、鱼を扱う方の気构えのようなものが他の食材にもあるのでしょうね。それでは最后になりますが、一言ずつコメントをいただきたいと思います。
髙桥(拓) 多分、海外から見た和食の魅力と国内で見る和食の魅力というのは違っていて、私たちはその使い分けをうまくしなくてはいけないと思っています。今回、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのですが、まだまだ海外では日本料理というのは、ジャパンの未知なる料理なわけです。完全に日本料理を解釈されているわけではありませんので、そういったことを前提として日本料理を正しく伝えるということが大事だと思います。それから国内では、和食はやはり私たちのライフスタイル、食生活、生活体系に結びついていますから、この食が乱れるということは日本人の生活が乱れるということなので、生活を守る上でも食をつくっていくということが一番大事なことかと思います。 それから、フランス料理とかイタリア料理をつくった後の鍋の油。あれは洗う時に、結構洗剤を使わないと流れません。水を汚しますよね。日本料理というのは、油を使わないお出し主体なので、サっと洗えば水だけでも落ちるのです。洗剤も少ししか使いません。そのような利便性は、水を生活の中心においている日本人の生活として、環境にもやさしいですよね。それはやはり、日本料理が誇れることやと思います。
髙桥(拓)氏

中东 和食の魅力というのは、私の中では、自然といつも共存しているような感覚で料理をつくりあげていく、ということなのです。自然を意识するということは、自然环境を守るということにもつながっていくと思います。今、日本料理、和食というものが日本人から离れていっているというのは现実です。それと比例して自然环境も悪くなってきています。それは、日本料理をつくるために乱获するのではなくて、意识して守っていく、こんなおいしいものが採れるのだから自然を守っていく、そういう考え方になっていくということが、これから日本料理が発展したり、いいもの、おいしいものをつくったりできる源泉ではないかと思います。今、海外に行くと现地のシェフたちは、日本の食材というものを非常に良质な、すごくレベルの高いものだと思い使っています。おいしさ、栄养においても同様です。それは日本の経済面においても非常に大切なものになってくると思います。日本料理というのは自然といつも共存している、自然を意识しているということで环境を守っていく。それによって、我々は本当に自然の中で健やかに过ごすことができる。そういった根本原理を今、世界の人々は见直しているのではないかなと思います。
中东氏

髙桥(义) どんな国の料理でもそうだと思うのですが、やはりつくる侧と食べる侧が必ず存在していて、そしてその両者の间では必ず无言のキャッチボールがあるのです。つくる侧がどんなことを思って、どういうふうに食べてもらいたくて、どういうふうに料理したのか。食べる侧は、どういうふうにつくる人が考えて出してくれたのか、これはどこでどうやって採れたのだろうか、どういう工夫があるのだろうか、どうやって食べたら一番おいしく食べられるのだろうか、といういろいろな思いをお互いにめぐらせているのです。それが家庭であったり、レストランであったり、料理屋さんであったり、いろいろなところで展开されるのですが、お互いにもっと想いをめぐらすことによってそこの料理が育まれていくと思うのです。
髙桥(义)氏

柳原 私は、ユネスコ无形文化遗产に登録されて一番よかったのは、私たち日本人自身だと思います。これからもっともっと日本料理が発展していくと思うのですが、そのために必要なものというのは、やはり日本人一人ひとりの舌だと思います。舌、味というものは育てるものです。元々あるものではないのです。小さい时からいろいろな味のものを食べて成长していくのです。ただ、今はお母さんがつくらなくてもファーストフードやコンビニ弁当もあって、単一の浓い味だけでも育つこともできます。しかし、そういう子供たちが育って大きくなったら、味の分からない大人になってしまう。そうすると、いい料理屋さんに行ってもこんなものかとしか思ってもらえない。感动が少ないと思うのです。ですから僕は、やはり小さい时からの食の教育が大事だと思います。それはすごくいいものを食べさせて、高いものを食べさせてという意味ではなくて、例えば本当の出しを引いたいい香りのもの、ほうれん草のおひたしでも出しとしょうゆをちょっと合わせて浸けただけでもおいしくなります。でも、そのためにはほうれん草を上手に茹でましょう、しょうゆと出しの割合も考えてあわせましょう。そういう细かいことが、舌が育つトレーニングになっていくのです。これは子供だけではなくて、大人もそうだと思います。きょうは帰りに鰹と昆布を买って、おいしい出しを作ってください。
柿泽 ありがとうございます。今日は皆さんと一绪に、本当に和食の魅力を探求できたかと思います。会场から出た时に和食が伝えられる自分であったり、和食がおいしくつくれる自分であったり、和食の魅力を感じていただければと思います。皆さんには「和食っていいね」と心から思えるような、そんな日々を毎日送っていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。パネリストの皆さんありがとうございました。