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-よみもの-
第6回 読売新闻社赏
目玉焼き丼と息子
今年、息子が成人式を迎え一般的に言う大人の仲间入りをした。
とても嬉しい。これから大きな梦に向かって精一杯飞跃してほしいものだ。
これまで、息子には大変な苦労をかけてきた。幼少の顷から母亲がいなかったから寂しい思いもさせたし、多感な顷も母亲の存在がどれだけほしかったか。私も片亲で育ったからそれが痛いほどわかる。
父亲の私だけでは、満たされない面もたくさんあっただろうが、息子は一度も私にぐずったり、すねたり、ねだったりはしなかった。小さいながらも仕事と家庭の両立で苦戦する私に、気を使っていたのだろうか。本当に申し訳なく思っているし、よくここまで真っ直ぐ育ってくれたと思う。感谢で胸が一杯だ。
今は息子も自立し离れて暮らすが、亲子二人叁脚は今となっては大きな思い出と绊になっている。
あれは、息子が小学校4年生のときだった。
私が体调をくずし3日间程寝込んだことがあった。出张続きや深夜までの仕事で疲れが溜まり身体が动かず高热が続いた。何とか起きて食事でもと起きようとするのだが体が言うことをきかない。息子にも「ご饭少し待っててな。调子が良くなったら何か作るからね。」などと育ちざかりの子に无理を言った。
しかし、身体はなかなか快復せず、心身ともに辛かったことをよく覚えている。
息子も「お父さん、平気だよ。ゆっくり寝てて」などと悬命に心配してくれた。
それから少しの间眠ったのか外は暗くなり始めていた。今日は店屋物でも頼もうかと考えていたところ、部屋のドアが静かに开いた。
「お父さん、ご饭作ったよ。食べれるかなぁ」
何と、私の寝ている间に一人で作ったのか。见よう见まねで作ったのか。息子のサプライズだ。ジャーに残っていたご饭と目玉焼き、目玉焼きはご饭の上にのせてあって、间にはふりかけがかかっていた。息子の大好きなふりかけだ。自分なりに工夫したんだろう。すごい目玉焼き丼だった。
「ありがとうね。よく作ったね。自分で考えたの?すごいな!」と嬉しさと惊きと感激とともに口へ运ぶ。美味い。こんなに美味しい息子のご饭。今まで作ったことなど一度もないのに??胸が一杯になり涙が溢れ出る。
「美味いよ。本当に美味しい。」その言叶しか出てこなかった。息子も嬉しそうに一绪に食べる。満足して照れくさい颜が忘れられない。
この时をさかいに息子は大きく成长したような気がする。自立なのか病の父を看病した経験からか、自分が役に立ったことが嬉しかったのか、何かと自分から取り组むようになった。
食事も时々一绪に作るようになり、寄り添う息子を见ながら頼もしさと健気さでいつも感极まる思いだった。
そして、かけがえのない思い出となったこの「目玉焼き丼」は私の一番の心のごちそうとなった。二十歳になった息子がこの时のことをどこまで覚えているかわからない。
けれどその优しさ思いやりが今の息子を形成していることは间违いない。
二十歳の祝いは、前日から仕込んだちらし寿司を作ってみた。「友达と食べに行っていいんだぞ。」と促したが、「いいよ、お父さんと食べるよ。」その一言でまた胸が热くなる。
どうかこのまま成长してほしい。社会人として人に优しく健康で毎日を过ごしてほしい。
それだけが父さんの愿いだ。息子よ、成人おめでとう。
INFORMATION
「目玉焼き丼と息子」
宮澤 勝さん(東京都)
※年齢は応募时
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