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-よみもの-

第14回 一般の部(エッセー)优秀赏

父の焼きめし

「あっこちゃん、焼きめしやったら食べられるか?」
食が细かった私に子どもの顷よく闻いてくれた父。小学校の给食も全然食べることが出来ず、最后の最后まで私の机の上にだけ给食が残ってしまう日々。いつしか私にとって「食べる」という行為が、つらいことになっていった。そんな中、唯一モリモリ食べられたのが父の作ってくれる、玉ねぎ、ハム、しょう油、塩コショウのシンプル焼きめしだった。その焼きめしの香ばしいかおりにだけ私のお腹は、グーッと鸣った。
そういう私もテニスに目覚めたことがきっかけで、どんどん食欲が増していき、いろいろなものが食べられるようになっていく。それと同时に、父の焼きめしを食べる机会も减っていったのだ。そこから思春期にも入り、父と话すことはなくなった。気づけば私の视界から父が消えていた。
ある日、母から话があると呼ばれて父の部屋に行くと、そこには布団にうずくまった父がいた。
「お父さん、ずっとこの状态やねん。病院にも连れて行ったけど、うつ病らしいわ。」
母の言叶に胸ががらんどうになり、涙さえ出ないような悲しみが押し寄せてきた。私はその日から、うつ病の父と何を话して良いかがわからない毎日を过ごした。
そして、そんな日々を数年过えて、私は结婚し家を出た。そこから五年后、私は男の子を产み、久しぶりに长期间、実家に帰ることに。父は相変わらず布団にくるまっていたが、赤ちゃんの泣き声には反応し、少しずつ、布団から出てくるようになったのだ。私が
「お父さん、抱っこしてみる?」
と息子をさし出すと、
「いや。落としたら怖いからやめとくわ。」
と言いながらも、昔、幼い私に向けてくれていた眼差しで息子をずっと眺めていた。
その后、息子の成长と共に父も変化していった。息子がヨチヨチ歩く顷には、父も息子の手をしっかり握りしめて歩けるまでになったのだ。私とは正反対で何でもよく食べる息子にいろいろ作ってあげたいと台所にも立つようになった父。
「じぃじのちゅくるごはん、おいしい!」
と言って喜ぶ息子の言叶に涙をうかべて微笑んでいる。私の隣で母がソッと耳打ちしてきた。
「お父さん、今、すごく生きたくなったらしいよ。れおの成长を见ていきたいねんて。」
私は、涙が止まらなかった。堰き止めていた感情が溢れ出てきたのだ。
令和五年现在、息子れお9歳。小学校の给食は、叁回おかわりするそうだ。「食べている时がホンマ幸せ」とよく言う息子に、ある日闻いてみた。
「食いしんぼうのれおが一番好きなもの何?」
息子は満面の笑颜で答えた。
「じぃじの作る、やきめし!」

INFORMATION

第14回 一般の部(エッセー)优秀赏
「父の焼きめし」
川上 あきこ かわかみ あきこさん(大阪府?51歳)
※年齢は応募时

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