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-よみもの-

第12回 一般の部(エッセー)优秀赏

真っ白い俵おにぎりと翱碍サイン

「みんな、お昼におにぎり食べるかあ?」
おかんが台所から僕と友人たちに闻く。その中には叁つ年下の僕の弟もいる。
「食べる!」
みんなが大声で答えると、おかんは「よっしゃ。ちょっと待ってくれよ」と言って炊饭器のふたを开け、しゃもじで热々のご饭をボールに移し、おにぎりを作りにかかった。
みんなは『人生ゲーム』や『野球盘』なんかのボードゲームを再开する。僕もやっぱり游びに戻るのだけれど、そうしながらもときどき、おにぎりを握るおかんを见る。
おかんは、水を张ったもう一つのボールに手を入れて濡らすと塩をつけ、ふわりとご饭を掴んでは、両の掌でくるくると回した。するとご饭は「みやっ、みやっ」という不思议な音を発しながら形が整っていき、数秒后にはきれいな俵型になった。
おかんが握ってくれるおにぎりは、决まって俵型だった。味つけは塩だけ。その质素さはおそらく、いや、间违いなくうちにお金がなかったからだ。
おかんは、僕が小学二年生のときに亲父と离婚した。离婚の理由は、亲父に别の女性ができたからという、ありふれたものだった。
以来、おかんは新闻配达をして僕と弟を育ててくれた。运転免许を持っていないおかんは自転车で新闻配达をした。その大変さが相当なものだったことは想像に难くない。だが、おかんの仕事も、おかんと僕たちの生活も确かに大変ではあったが、悲壮感はあまりなかった。それはおかんの性格が、基本的にファンキーだったからだ。例えば、おかんは授业参観のときなど、前の扉から入ってきては僕の友人たちに手を挙げて「おう」と声をかけながら教室の后ろに向かったりした。そんなおかんだったからだろう。休みの日には、僕の友人がボードゲーム持参で何人もうちに来た。
「できたぞ。昼饭にしよか」
おかんが声をかけると、みんなは(もちろん僕も弟も)ボードゲームをまた中断して、台所にあるテーブルに移动し、俵型に积み上げられた真っ白い俵おにぎりに手を伸ばした。
「おばちゃん、おいしいわ!」「めっちゃうまいな、これ」
口を极めて褒めてくれるみんなに、おかんは人差し指と亲指で轮を作り、残り3本の指を立てた翱碍サインで応えた。ただ、おかんの翱碍サインはいつも上下が逆さまだった。それはつまり「銭や。銭」を意味するマークなのだが、おかんの性格を考えるときっと冗谈だったのだろう。子供だった僕らにはちょっとわかりにくかったけれど。
とにかく、そうやっておかんはいつも笑っていてくれた。でも、僕は知っている。亲父が离婚を言い渡して家を出ていった夜、おかんが台所でひとり泣いていたことを。
僕と弟をまさに身を粉にして働き育ててくれたおかんも、もう七十六歳だ。叁年前から体调を崩して入院している。コロナ祸で面会もできない。おかん、早く退院してまた真っ白い俵おにぎりを握ってくれ。そして翱碍サインを作って见せてくれ。上下逆さまでも构わないから。

INFORMATION

第12回 一般の部(エッセー)优秀赏
「真っ白い俵おにぎりと翱碍サイン」
助川 正一 すけがわ まさかず さん(京都府?50歳)
※年齢は応募时

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