Readings
-よみもの-
第11回 一般の部(エッセー)优秀赏
伝説のおはぎ
我が家には『伝説のおはぎ』がありました。大きくて柔らかくて、どこのお店のものより美味しかったそのおはぎは、いまだ家族の谁にも再现出来ていない。これはそんな伝説のおはぎにまつわる一つのお话です。
私が小学生の时、母の仕事の都合で数年间祖母の家で暮らした时期がありました。祖母は凛とした昭和人で质素倹约の中で器用に家事をこなす人でした。当时小学叁年生だった私は厳しくも优しい祖母が好きで、そしてお彼岸に作ってくれる祖母のおはぎが何よりも大好きでした。ぼってりとした大きなおはぎが祖母の手によって次々と出来上がり、いくつもの大皿を埋め尽くしていく光景を见て私は心がときめいたものでした。
さて、そんな小学生の私が秋の运动会を迎えた日の事、午前中の竞技を终え、昼食の时间を迎えました。当时生徒たちはみんな教室で弁当を食べる决まりで、皆と机を并べてお弁当を広げていました。弁当は祖母が作ってくれたもので、子供用の小さめのアルミの弁当箱に詰めてくれていました。そのふたを开けた私は思わず小さな叫び声を上げたのです。
「わぁ!すごい。」
小ぶりのアルミの弁当箱には大きなあんこのおはぎときな粉のおはぎ、それに隙间にはなら渍けがぎゅうぎゅうに入っていたのです。周りのみんなは卵焼きやウインナー、ミートボールやおにぎりなど彩りよく配列されています。対して私のおはぎ弁当は黒と白になら渍け。完璧な地味色弁当でした。今考えても小学生のお弁当ではありえない色合いと思えるのですが、私はそのおはぎ弁当が嬉しくて嬉しくて、椅子から立ち上がると前の席で食べていた先生にそれを见せに行ったのです。
「先生、これ見て!おばあちゃんが作ってくれたんよ。美味しそうじゃろ?」 きっと先生は驚いたのではないでしょうか。日頃大人しく、積極的に話をする事のなかった私が、地味な色の弁当を自慢げに掲げて来たのですから。でもその先生は驚く様子もなく、 「わぁ、美味しそうじゃなぁ先生も食べてみたいわぁ。」
そんな风に一绪に喜んでくれたのです。当然それだけ堂々と喜んでいるお弁当に対して冷やかす友达もなく、それどころか「见せて」とか「おいしそう」と话しかけられ、おはぎ弁当は喜びの中、见事に完食されたのです。これは本当に些细な、けれど心に鲜明に残っている伝説のおはぎのエピソード。
あれからたくさんの时间が経ちました。今はもう祖母も亡くなり、祖母の作る美味しいおはぎは本当に伝説となってしまいましたが、このおはぎ弁当のお话は今でも时折话题に上り、家族を楽しませてくれています。そしてそんな时いつも思うのです。いつか私も、远い时间の先にこうして笑って语り継がれる『おいしい伝説』を家族に残すことが出来るといいな、と。
INFORMATION
「伝説のおはぎ」
實近 裕美 さねちか ひろみ さん(岡山県?51歳)
※年齢は応募时
他の作品を読む
これも好きかも
