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-よみもの-
第9回 一般の部(エッセー)优秀赏
ラブリー弁当
私の父は无口だ。褒めもしないし怒りもしない。そんな父が好きでも嫌いでもない。
小学校五年生初日、母が入院した。弟が生まれるのだ。新学期早々、无口な父と私の一週间の二人暮らしが始まった。一週间の食事はこれだ。朝は苺ジャムを涂った食パン、昼は给食、夜はコンビニ弁当。学校の给食は毎日献立が违うし、コンビニ弁当は意外と种类が豊富だ。コンビニ弁当の中で一番大好きな鸟そぼろの叁色弁当が食べられるのでこの食生活に不満はなかった。
弟が生まれ、急遽手术することになった母は退院を叁日遅らせることになった。それなりの食事がとれていたので二人暮らしが少し延びたことは特に问题はないと思っていた。
しかし、事件が起こる。母が帰ってくる前日、二人暮らし九日目だ。次の日が月に一度のお弁当の日だったのである。私の小学校には特别な理由がない限り手作り弁当以外は持ってきてはいけないというルールがあった。母がお产で入院している我が家の状况は「特别な理由」に十分当てはまると思ったが、一応父に相谈してみると、「なんか作るよ。」と予想外の言叶が返ってきた。生まれてから十年间、父が包丁を握る姿、台所に立つ姿を见たことがなかったからである。父の手作り弁当を楽しみにその日はいつもよりも早く就寝した。
次の日、私が起床するとすでに父はお弁当を作り终え、朝ごはんの用意をしていた。台所には焦げだらけのフライパン、散乱した卵の殻、それとハート形のクッキー型。何を作ったのか全く予想できないこの状况。怖すぎる。楽しみだったお弁当は不安しかなくなった。
いつも通り登校し、授业を受け、ついに昼食の时间。食べることが大好きな私がこんなにもお昼の时间を待ち远しく思わなかったのはその日が初めてだったと思う。
赤い巾着袋からお弁当箱を取り出す。なんだかべとべとしている。恐る恐る盖を开けてみると、そこには私の大好きな鸟そぼろの叁色弁当があった。それも普通の叁色弁当ではない。白いご饭の上に卵そぼろと鸟そぼろ、ここまでは普通だ。ご饭の中央に桜でんぶで作られた真っピンクのビッグハートがあったのだ。クッキー型の正体はこれだった。ご饭の部分だけではない。ご饭のサイドには卵焼きで作られたハート、ハートのピックに刺さったミニトマト。卵そぼろは鸟そぼろと同じくらい茶色いし、卵焼きはしょっぱすぎる。それでも父からのお弁当は嬉しくて一粒残さず完食した。
その日の夜、父から会议で帰りが遅くなると连络があった。小さい顷から母に料理を教えてもらっていた私はお弁当のお返しと思い、父の夜ご饭を作ることにした。
父の好きな茄子のお味噌汁、ポテトサラダ、そしてメインはハート形のハンバーグにした。「あたためて食べてね。」とメモを残して私は先に寝てしまい、次の日も父のほうが家を出るのが早かったのでご饭の感想を闻くことはできなかった。
二人暮らし十一目の夕方、母と弟が退院した。帰ってきた母に私は真っ先に父がお弁当を作ってくれたことを报告した。すると母は何も言わずに携帯を取り出し、メールの画面を见せてきた。父が母に送ったメールだ。父が作ったお弁当と、私が作った夜ご饭の写真が载せてあった。二枚の写真の下には一言。
「ラブリー弁当にラブリー返し!」
INFORMATION
「ラブリー弁当」
能城 桃子 のうじょう ももこ さん(千葉県?19歳)
※年齢は応募时
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