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-よみもの-
第9回 小学校高学年の部(作文)优秀赏
いっぱい食べやぁ
「いっぱい食べやぁ」これは私のお母さんの口ぐせだ。私や弟が、「おいしい」と言うと、きまってにっこりと笑い、「いっぱい食べやぁ」と言う。物心ついたころからそうだった。
病気になったとき、お母さんは私の大好きな料理を、いつもより长くにこんで出してくれた。少しフラフラとしていたけれど、そのごはんを食べると、体がしんから温まり、いつもの味にほっとした。少しやわらかい白菜とツナ。いっしょに食べるとだんだんと元気になっていくような気がした。いままでぐったりとしていた私が、急に势い良くごはんを食べる姿に、弟やおばあちゃんも目を见张っていた。私がしるをすする音だけが闻こえていた。
しかし、お母さんはずっとそばでほほえんでいるだけだった。私が「おかわりください!」と言い、家族はとてもおどろいていたが、お母さんは少しうなずくと、おかわりを持ってもどってきた。そして、今は食べられるだけ食べて早く元気になるんだよ。と优しく言うと、最后ににっこりと笑って「いっぱい食べやぁ」と言った。いつも闻いているその言叶が、なんだかいつもよりもジーンとしみこんできた。少しの间、その余韵にひたっていると、それまで信じられない、という颜をしていた弟も、「おねえちゃん、いっぱい食べやぁ」と大きな声で言った。するとおばあちゃんも、「瑞恵、いっぱい食べやぁ」と言って、料理の乗ったお皿をすすめた。お母さんがもう一度、「いっぱい食べやぁ」と言うと、その后はもう「いっぱい食べやぁ」の大合唱だった。私も、なんだかうれしくなり、それに参加した。
しばらくそれを続けた后、みんな笑颜で静かに、私を见つめた。私はうん、とうなずき、にっこりしながら手の中にあるお皿に目をおとした。
叁日ぶりのおかわりだった。
INFORMATION
「いっぱい食べやぁ」
藤田 瑞恵 ふじた みずえ さん(岐阜県?12歳) 岐阜市立合渡小学校 6年
※年齢は応募时
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